2025/09/25 06:00
今回は久しぶりにアイアン家具の納品です。
愛知県内の大学研究室に納品したのは、自然素材の温もりと機能性を兼ね備えた会議用テーブルです。
この研究室では「集中とリラックスの両立」をテーマに、無垢材を使用した家具の導入を進めており、私たちは定期的に家具を制作・納品しています。今回のテーブルも、その想いに応える形で誕生しました。

松の一枚板が生み出す存在感
天板には松の一枚板を使用。二枚を接ぎ合わせるのではなく、あえて少し隙間を入れた「スリットテーブル」としました。
これは、デザイン上のアクセントとしての効果と、接ぎ合せ作業のコストカットという目的で行いました。

同じ丸太から切り出した二枚を向かい合わせに配置することで、美しいシンメトリーの木目が浮かび上がります。
荒々しく力強い木目はインパクトがあり、会議の場を引き締めながらも、自然素材ならではの温かみが感じられる仕上がりとなりました。天板を削り、木目が現れた瞬間、今回のテーブルに最適な板を使えたなと嬉しい気持ちになりました。
ちなみに天板は亜麻仁油を使ってオイルフィニッシュで仕上げました。
オイルフィニッシュの良さは、その木材が持つ木目や木の色を最大限に引き立ててくれることです。
使用している亜麻仁油は、植物性オイル独特の匂いが弱く、松特有の野性味あふれる芳醇な香りがそのまま残っており、
納品の際に梱包材を剥がした瞬間から研究室がいい香りで包まれました。
こちらは天板の表面を削り始めた時の写真です。色も淡い色で、木目もぼんやりとしていますが、滑らかになるまで削っていき、オイルを塗布すると、パッと雰囲気が変わります。
この瞬間が、木工作業をしていて一番楽しい瞬間です。

デザイン性と機能性を高める工夫
脚部にはマットブラック塗装を施したアイアンフレームを採用。
荒々しさをもつ松の木目と、直線的でシンプルなアイアンフレームの組み合わせは、力強さと落ち着きを両立させています。
さらに、脚先には天板と同じ松で作ったキャップをはめ込み、木と鉄が自然に調和するアクセントを加えました。

デザイン性だけでなく、日々の使いやすさも大切にしています。
天板の中央にはコンセントを埋め込み、パソコンやタブレットなどの電子機器を使用する会議でもストレスなく作業できます。
シンプルな外観の中に利便性を組み込み、研究活動を支える存在になるよう意識しました。
また、フレームは分解可能な構造とし、大型家具でありながら搬入やレイアウト変更も容易にしています。

プロジェクトに込めた想い
研究室という空間は、ただ机や椅子を並べるだけではなく、人と人が集い、考えを深め、新たなアイデアが生まれる場所だと思います。
そこに置かれる家具は、機能性だけでなく「心地よさ」や「インスピレーション」を与える存在でありたいと考えています。
今回のテーブルもまた、自然素材の力強さと現代的な機能を組み合わせることで、研究活動をより豊かに支える一台となりました。
自然素材の持つ豊かな表情は、人工的に作られたものでは決して得られない魅力を空間に与えてくれます。
松の一枚板から生まれたシンメトリーのテーブルが、研究室に集う人々にとって、長く愛される存在となれば嬉しく思います。
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